奇抜なディスプレイは自己満足で終わる

本を目立たせる。

仕掛け販売の際の大事なポイントです。

大事なだけにその方法を間違えると思うような結果が得られなくなります。

例えば「タワー積み」

大きな書店さんで大々的にやっているのをテレビやニュース画像でたまに見かけます。

非常にインパクトのあるディスプレイ方法です。

私もお店で真似したことがあります。

お客様に与えるインパクトは非常に大きいです。

多くのお客様がその前で足を止められてました。

写真を撮る方もいらっしゃいました。

その本の売上は、なんとも言えない微妙なものでした。

思うような結果を得られなかったので時期を見て普通の平積みに戻しました。

戻した途端に売行きが上がりました。

初めて自分でタワー積みをした結果は失敗と言えます。

何故失敗したのか。

私のやった方法は「見せる」ことだけに目が向いて「売る」という視点が抜けていたのです。

買う予定のお客様の立場から考えると、タワー積みは本を取りにくいだけなのです。

取りにくいということは戻しにくいと同じ意味です。

欲しいという気持ちよりも面倒くさいという感情が強くなります。

だから見るだけで買わなかった。

そう考えられます。

改めてタワー積みの画像で確認すると、見せる本と売る本ときちんと用意されています。

タワーの横に普通に積んでいるのです。

お客様はそこから本を手に取っていたのです。

私はそこを見落としてました。

反省を踏まえて改めてタワー積みに挑戦しました。

もちろん見せる本と売る本の両方用意しました。

1回目よりも結果は良くなりました。

売る方からきちんと売れたのです。

売る方の在庫が減ったらタワーを少し崩して補充する。

このやり方は成功しました。




本屋は誰のためのものなのか。

お客様のためのものです。

どれだけ奇抜なことや目を惹くことをしても、お客様がお買い上げくださらなければ失敗です。

「お客様目線」

使い古されたようなこの言葉。

使い古されるということはいつの時代も使われていたということ。

いつだって忘れてはいけない根幹だということです。

あなたが新しいアイデアを思いついた時、この言葉も携えてください。

お客様不在で突っ走って転んだ経験から言えることです。

奇抜なディスプレイは自己満足。

自己満足にお客様目線を足せば素敵な売り場が出来上がります。

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