入荷の山を楽しむ方法

本屋さんにとっては当たり前の事ですが、毎日沢山の本が入荷します。

雑誌やコミックの新刊。

書籍新刊。補充注文分や客注品。

フェアやセットの送品。

季節やタイミングによってはバックヤードがパンクする程の量が入ってきます。

一方で毎日入荷するということは毎日返品があるということにもなります。

売れ残ったり期限切れが近い雑誌。

販売期間が終了したフェア在庫。

長年棚の肥やしになっていた本。

日々の作業時間の多くが入荷と返品に費やされています。

出勤して山のように積まれた送品を目にした時にあなたはどう感じますか。

嬉しく感じるか気が重くなるか。

恐らくどちらかではないでしょうか。

そして気が重くなることが多いのではないでしょうか。

気が重くなる原因はこれから先の「やるべきこと」に意識が向いているからです。

「これらを全部売り場に出さなきゃ」

「それが終わったらすぐに昨日からの○○をやらなきゃ」

「それから返品にとりかからなきゃ」

というように時間や作業に追われる事を想像して憂鬱になるのです。

逆に嬉しく感じるのは目の前の本と向き合っているからです。

「この中にどんな面白い本が入っているだろう」

「この前注文した仕掛け商品がそろそろ入ってくるかな」

「客注品があればすぐにお客様に連絡しよう」

時間や作業を気にしないで本そのものと向き合えるから嬉しくなります。

やるべき事は主体的ではありません。

やりたい事は主体的です。

もう一つ。

気が重くなるのは先のことばかりに目が向くからです。

まだ何もしていないのにその先、更にその先と考えて深みにはまっていきます。

嬉しいのは目の前のことだけに意識が向いているからです。

本との出会いを楽しむだけで、その後の作業までは考えません。

作業は作業。

その時が来たらすればよいだけのこと。

目の前に集中することは余計な負の感情を生みません。

気がついたら作業が終わってた、ということもあります。

目の前の現実を主体的に捉えればやる気が出ます。

「自分が○○する」という気持ちになるということが大事です。

先の事を考えずに目の前に集中すれば雑念が消えます。

同じ作業でも気の持ちようで効率は大きく変わります。

気の持ちようは自己暗示で変えることができます。

ただ一言「よし、やるぞ!」と自分に言い聞かせてください。

声に出せば更に効果が出ます。

くれぐれもあまり大きな声で周りのスタッフをビックリさせないようお気を付けくださいね。



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