お問い合わせを受けた本が在庫切れしていた。
「ありません」と答えるのは機会を逃します。
「取り寄せますか」と言うと断られやすくなります。
「今取り寄せ中です」と伝えるとまた来てもらいやすくなります。
お客様は自分で本を探します。
見つからなければ諦めて別の店にいきます。
諦めきれなければそこにいる店員に問い合わせをします。
声がけしてくる時点でその商品を欲しいという気持ちは強いです。
同時に他の店に探しにいくのが面倒臭いという気持ちもあります。
もしかしたらあなたのお店に来る前に他の書店で探していたかもしれません。
声かけをしてくる時点でどうするか決めたい気持ちがあります。
「ありません」とだけ答えたらそこで会話が終わります。
もう少し会話を続けて買っていただきたいですよね。
時には終わらせたいお客様もいると思います。
その場合はもちろん「ありません」とお答えして自分の仕事に戻ってください。
多くの場合は「ありません」に続けて「お取り寄せしますか」と営業します。
お店全体でそう教育しているところもあります。
ここで注意して欲しいのはその言い方です。
ストレートに「お取り寄せしますか」と言っていい時もあります。
どうしても欲しいという気持ちが見えている時です。
お客様から「取り寄せてください」と言われることだってあります。
なんとなく欲しいけど無理してまで欲しくない。
そういうお客様にどう提案するか。
取り寄せや再来店に持っていくことができるか。
結論は「今取り寄せ中です。」
これが今日お伝えしたいことです。
なんとなく探しているお客様は「取り寄せますか」という提案には身構えます。
そこまでしてまで欲しくない。
キャンセルできないのは面倒だ。
色々理由はあります。
根底にあるのは「自分で選択できない」とこの煩わしさです。
人はコントロール欲求を持っています。
言い換えれば自分でコントロールできないことはストレスになります。
裏返せば自分でコントロールできる状況になればいいのです。
在庫切れしている本に対して自分でコントロールする。
次の行動を自分で決められるような声かけをすれば良いのです。
そこで「取り寄せ中です」の一言です。
「取り寄せ中です」は事実のみを伝えています。
その本を取り置きするのか他を当たるのか。
選択はお客様自身で行えます。
あなたは選択肢を提示するだけで良いのです。
選択肢そのものが誘導になるようにすれば良いのです。
お客様自身がコントロールできていると感じる。
そういう状況になるようにあなたがコントロールする。
そのための一言として「取り寄せ中」があります。
大抵のお客様は「取り寄せ中」に対して納期を聞いてきます。
納期を聞いた上で取り置きにするか他を当たるか決められます。
納期は正直にお答えしてもいいです。
1〜2週間などとぼかしてもいいです。
大事なのは「いつかは必ず入る」と思わせることです。
コントロールへの欲求は先ほどお話ししました。
もう一つお伝えします。
人は先の見えないことに対する不安を強く持ちます。
いつになるか分からないとモヤモヤが取れないです。
そのモヤモヤを取るには具体的な数字が必要です。
具体的であればあるほどイメージしやすくなります。
安心できるようになります。
コントロール欲求と想像できる未来図。
この二つが揃った時にお客様は具体的な行動を取れます。
「取り置きしてください」の一言が引き出せます。
あとは通常の取り寄せ時と同じ手続きをしてください。
未発注でしたらここで発注してください。
問い合わせはお客様の不安からきます。
その不安を解消さえせることができればお客様はまた来てくださいます。
毎回不安を解消させることができれば常連になります。
常連様でいっぱいの本屋。
嬉しくなります。
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