面陳の効果は以前の記事「面陳商品を綺麗なまま保つには」でもお伝えしました。
実際に面陳の効果はどれくらいなのか。
私が実際に検証した結果を簡単にお伝えします。
ロケーションはコミック。
棚数は約30。
もともと棚は全て差しにしていました。
棚前は平台があります。
平台は前後2列置けます。
来店者の目線の高さの平均を床から150センチくらいと仮定しました。
私のお店は棚が150センチでしたので、最上段を全て面陳にしました。
面陳アイテムは大きく2種類に限定しました。
当期もしくは来期メディア化される原作。
お店の客層に合わせてスタッフがチョイスした作品。
当初はこの2種類を混在させていましたが、後に面と平とで棲み分けました。
チョイスする作品に関しては選定段階では私は口を挟むことはしませんでした。
並べる場所や並び順に関してはスタッフの相談に乗りながら二人三脚で行いました。
巻数の揃え方は全巻。
最初の数巻だけ面陳で続きは差しにすることはしませんでした。
その結果自ずと若い作品が並ぶようになりました。
検証開始から実際に効果が出るまでは約4ヶ月かかりました。
最初の1ヶ月は何を面陳にしたら良いかわからず試行錯誤の繰り返しでした。
スタッフの思い入れが強すぎてなかなか売上に結びつかない作品。
ちょっと場つなぎのつもりで置いたら意外と売上がたった作品。
注文したのに全巻揃わず出せない作品。
重版や話題作、取次の施策対象ということで送り込まれる作品。
とにかくまずは並べてみるという段階でした。
2ヶ月目からはスタッフも心得てきました。
どの段階で注文を取っていれば全巻揃うか。
早めに取って確保しておくにはストッカーをどう使うか。
お客様がよく買われるのはどんなジャンルか。
好まれる絵柄はどのようなものか。
自分のオススメしたい作品と売れる作品とのバランスはどれくらいが良いか。
隣り合う作品同士の相関をどう忍び込ませるか。
この時期から平台と面陳との棲み分けを意識するようになりました。
3ヶ月目から徐々に効果が出てきました。
面陳コミックのまとめ買いが少しずつ出てきました。
面陳にメディア化を並べ平台に新刊とオススメを並べるというルールができました。
陳列作品のルールを作ることでスタッフも選定作業が楽になりました。
そして4ヶ月目。
コミックの売上が前年比110%を達成しました。
まさかこんな短期間でこれだけ変わるとはと驚きました。
コミック売り場が静かに燃え上がっていました。
面陳にしたことは売上だけでない効果ももたらしました。
売上が上がるにつれストッカーの使い方も変わりました。
それまでは溢れた商品の一時置き場のような扱いでした。
それが先取り商品の一時置き場になりました。
なのでタイミングによってはストッカーがまっさらになります。
在庫量の削減ができるようになったのです。
4ヶ月目以降コミックの売上は前年比100%を下回ったことはありません。
だいたい110%台を維持しています。
繁忙期になると130%近くまで上がりました。
棚を全て変えるというのはちょっと大変かもしれません。
でもお客様にもわかるくらいのスペースを一気に変える必要があります。
ちょっとした変化だと気づかれないことがあります。
一棹分でも二棹分でもいいのでやってみませんか。
あなたのお店もきっと変わります。
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