本屋は本を売るのが仕事

入場料を払う書店とか泊まれる本屋とか。

最近「体験」を売りにする本屋さんが話題になっています。

ちょっと前の話ではカフェ併設の本屋さん。

雑貨屋と本屋の組み合わせ。

かなり前からは立ち読み用に椅子を用意したり。

出版不況と言われて久しい中いかに生き残るかというアイデアが続々出ています。



そういったアイデアのうわべだけ真似ようとしても失敗します。

その流れに安易に流されないようにしないといけません。

ここまで強く言い切れるのは私自身失敗したからです。

まだ書店でMM商品を置くのが珍しい時代の話です。

お店全体の売上を上げる目的でとあるMM商品のスペースを作りました。

あるメーカー様と協力して進めました。

商品をお店の一番目立つところに設置しました。

定期的なラウンドをしていただき売り場が色褪せないようにしました。

雰囲気も雑貨屋と本屋のハイブリッドのような感じにしました。

結果どうなったか。

MM商品は全く売れませんでした。

スペースを割いた分だけ本の売上も下がりました。

この先どうするかということを議論しました。

せっかく始めたことだからもう少し様子を見よういう話もありました。

メーカーさんの反対にあい険悪な雰囲気にもなりました。

しばらく続けてはいたものの結局その商品は全撤去しました。

この決断も大変でした。

事後処理も大変でした。

ただ幸い売上の回復にはそう時間はかかりませんでした。



このとき私は何を見落としていたか。

お客様が何を求めて来店してくださっていたかということです。

私のお店のお客様は本を求めてお店にきてくださっていたのです。

別にMM商品が欲しかったわけではないのです。

あなたは野菜を買いに魚屋さんにいきますか。

私はそういうことをしていたと気づいたのです。

結局新規性だとかお店の売上狙いとか自分の事しか見ていなかったのです。



もしあなたが何か新しい施策を思いついたときには忘れないでほしいです。

お客様が本当にそれを求めているかを考えることを。

目先の話題にとらわれないようにしてください。

本屋は本を売るのが仕事だということを忘れないでください。

お願いします。

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