立ち読みと本の保護

今日は主にコミック以外のはなしです。



文芸書や実用書などで「本の保護」という目的でシュリンクやフィルムを巻く。あなたのお店ではしていますか?

恐らくあまり積極的にはしていないのではないでしょうか。もしかしたら全くしていないかもしれません。

文芸書を巻くなんて見たことがない。聞いたこともない。

そう思うかもしれませんが、私のお店では一部の本については巻いていました。

何故かというと、お客様からご指摘をいただいたからです。

「指にツバをつけて立ち読みしている人がいる。そんな本買う気にならない。」

ある日お会計の時にそう言われたことがありました。

そこで注意深く観察を続けると、たしかに指にツバをつけて立ち読みしている人がいました。それも一人ではなく何人も。

さらに観察を続けると、そういった人達は

・特定のジャンルの本に偏っている。

・ほぼ毎日のように来店する。

・時間帯もほぼ同じ。

・立ち読みするだけで買わずに出て行く。

といった特徴があることがわかりました。

この人たちはお店にとってどういう位置付けにしたら良いのだろう。

スタッフと話し合いを重ねた末に出した結論は、

「お店にとってプラスにならない人なので、来てもらわなくて結構」

となりました。

ただ、来てもらわなくていいと言いながら、実際どうしたらいいのか。



「迷惑なので来ないでください」

とストレートに伝えるのもおかしいですし、

「他のお客様の迷惑になるのでツバをつけないでください」

と言って一時的にやめたとしても結局は癖なのでまたされてしまう。

そもそも店に来てもらわなくて結構という意思表示が出来ていない。

色々検討を重ねた末に

「シュリンクして立ち読み出来なくしよう」

という案が生まれました。

これなら立ち読みだけする人は立ち読み出来なくなりますし、お客様から言われた時に理由(ツバをつける人がいる)を説明できるのでご理解いただけやすくなります。

なによりも、綺麗な状態の本をお譲りできるというメリットがあります。

その一方で気軽に内容を確認できなくなるので、売り逃がしが増えるかもしれないという心配もありました。

最悪の場合売上やお客様が減るかもしれないということも考えました。

でも、とりあえずやってみよう。

やって駄目ならまた考えよう。

ということでシュリンク開始しました。



実際にやってみて、どうなったか。

迷惑な立ち読みだけの人は減りました。

そして、そのジャンルの売上は増えました。

思った以上の結果となりました。

品出しの際の手間が少し増えましたが、長期的なメリットはあるという確信が得られたのです。

全てのジャンルに対して効果があるかはケースバイケースですが、一度試してみる価値はあると思います。

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