「マニュアル」
もしかしたらこの言葉に対してあまりいい印象を持っていないかもしれません。
言われたことしかできない人のことを「マニュアル人間」と呼ぶことや、決め事を言われた通りにやることを「マニュアル通り」と表現することもよくあります。
「融通の聞かない」「機械的な」
そんなちょっとネガティブな印象がつきやすい言葉です。
実際私も昔はこの言葉に対してあまりよくは思っていませんでした。
無視することはないけれど、なるべくならマニュアルを読まずに済まそうとしていました。
でも、最近は考え方がちょっと変わってきました。
変わってきたというよりも、マニュアルを客観的に表現することができるようになりました。
それは、
「マニュアルとは頭の中」
というものです。
当たり前のことですが、どうしても抜けてしまいがちなことです。
そして、マニュアルというものは必要なものだという考えを持つようになりました。
マニュアルを作った人はそれまでの自身の経験や試行錯誤を踏まえ、「どうすれば無理や無駄がなく仕事や作業ができるだろうか」を考えながらまとめあげていきました。
それは一人で作る場合でもそうでしょうし、複数人で作る場合も同じでしょう。
仕事に対する理解度や情熱、その時に持っていた力量、言葉にする能力、そういったものが結実したものがマニュアルです。
決して機械みたいなものでもなければ、ネガティブな意味合いを持つようなものでもありません。
マニュアルを読むことは先人の考えと向き合うことだとようやく理解できました。
もしマニュアルに問題があるとすれば、それは「作った時と状況が変わった」ケースが多いと思います。
数年前と比べても、今は色々なことが大きく変化しています。
ましてやもっと前に作られたマニュアルだったら、全くの異世界感があると思います。
それなら、自分たちで今の状況に合うように変えればいいのです。
もちろん変にならない範囲で。
こんなことをいうと「普段からマニュアルを参考にしつつ、自分のやりやすい方法に変えてます」って言われそうです。
それ、正解です。
90点くらいの正解です。
残りの10点は、その自分流のマニュアルをスタッフと共有して文書化して残すということです。
スタッフと共有することで、あなたの考えがどんどんブラッシュアップされていきます。
自分一人だけでなく、多くの人がやりやすい方法が見つかってきます。
そしてあなたがいない時でも、あなたやスタッフの考えがしっかりと伝わります。
その繰り返しでマニュアルがどんどん「使いやすい」ものに変化していきます。
生きたマニュアルを作り続けることで、あなたのお店がどんどん生き生きとしていきます。
「今」「この場で」起きていることに対してどう向き合うか。
そしてスタッフみんなでそれを乗り越えていくことの楽しさ。
この繰り返しで、あなたのお店が今以上に良いものになっていくはずです。
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